女装趣味とヘタレと同級生
キンコンカンコンとチャイムが鳴る。
「じゃあ気をつけて帰れよ」
先生のその一言で一日の学校生活が終了した。
「んーおわったー」
腕をぐーっと伸ばし持って帰る物を鞄に詰める。
「よし部活行こう」
そう言いながら教室から出ようとすると後ろから呼びかけられた。
「美夜っち」
呼びかけに振り向くときーちゃんが急いで帰り支度をしている。
「俺も一緒に行くから待ってて」
それだけ言うと机の方に視線を戻した。
すぐに準備を済ませると、あたしの方へと歩いてくる。
「行こうぜ」
「先行ってていいよ、あたし職員室寄るから遅くなるし」
「じゃあ一緒に」
「練習遅れると先輩にまた起こられるよ」
“行く”と続けられるはずの言葉をあたしは遮った。
【先輩】という単語にピクリと肩を跳ねさせたきーちゃん。
「ちぇー」っとふてくされながらも「解った」と部活に向かった。