遠恋
第1章 夏休みの学校で
私の名前は、間城友姫。
中学を卒業して近くの頭が悪い高校を受験
なんとか受かったものの
入学式以来学校にいってない。
普通に友達はいるし、先輩付き合いも良く
て、毎日親友の真凛も一緒だし
普通に幸せに生きてる
つもり。
私は中学1年の時から独り暮らし。
父は小3の頃から私に暴力をしだした。
体が弱いお母さんは入院しがちで...
その間
私は父のおもちゃになっていた。
学校から帰り、宿題のプリントをして
お風呂に入った頃に父が帰ってくる。
私がお風呂をあがるとご飯を作った父は先
に食べていて
“飯が欲しかったらベットへ行け”
当たり前のように
テレビを見ながら真顔で言う父の言葉に
小3ながら冷静に部屋へむかう。
“そんなことするならご飯いらない”
なんて言ったら殴られる。
抵抗しないで体をささげばこいつに殴られ
ないで済むから。
......
しかし
そんな生活にもピリオドが撃たれた。
私が小学6年生の春。
母が病院で死んでしまった。
突然の心配停止。私は泣きじゃくった。
このままでは前に進めない。
そう思い
真凛にいままでのことを話した。
真凛はわかっていたかのように冷静に
「頑張ったんだね」
それ以上なにも言わずに
ただ泣く私を優しく抱き締めてくれた。
真凛は親に相談して
私の母の姉と連絡をとって事情を説明し
母の姉がひきとってくれると言っていた
しかし、体が汚れてる小6の私を心から
よく思ってくれてなくて
よそよそしい態度に苛々と辛さが増した。
中学に入るまえの春休み。
母の姉で私をひきとったおばさんが
死んだお母さんには7000万円の保険が
かかって総額8000万円あると言ってきた。
ずっとお家にいていいから
お金はこちらでもらっていいわよね??
........
このお金はお母さんが死ぬときに
残してくれたお金なんだ。
こんな人にあげたくない。
ーーそうして始まった私の独り暮らし
お金もあるし
独り暮らしだけど充実している。
唯一、わたしに足りないもの。
それはーーー
家族。
それから、それから、、、
恋人。
ねんてね、恋人はいれなくていいかな?
別に彼氏ほしいなんて思わないし。
はぁ、ほんとにだるい。
高校生になり先生に呼ばれて真凛と
入学式以来いっていない学校へ向かった。
暑い夏。
いまはもう...夏休み。
ま、私はいつでも休みなんだけどね。
セミの鳴き声、部活してるひとたちの声。
たらりと流れる汗。
「なんで学校に呼ばれたの?」
『青年会の話しらしいよー』
「はぁ、もう、いや、帰りたい。」
真凛は汗をふきながらなげいていた。
真凛と嫌々ながら学校の校門をくぐり
生徒指導室へ入った。
「ああー、やばい、涼しい」
『ほんとにね、今死んでも後悔しないや』
んな、馬鹿な会話をしながら
ふたつ向かい合わせになっているソファに
横になる。
うああああ、このまま寝たい。
「友姫、真凛、よくきたなぁ」
その声は生徒指導の芝田卓郎。
肩幅広くて、腕は筋肉で太くて、それとは
真逆に温暖な性格。
芝田は近くの冷蔵庫からソーダアイス
を2つとりだし、私と、真凛にわたした。
『芝田のくせに気が利くじゃん』
「ほんとだよね、さんきゅー♪」
私は透明のビニールからアイスをとりだした。
「それは、ほめてんだか、けなしてんだか」
そういいながら先生は一人かけのソファに
ゆっくり座った。
「誉めてんじゃんっ」
『うん、これ、誉めてるよ』
そうアイスを口にほおばる。
溶けてきて、優しくて、しゅわしゅわして
暑いせいかアイスはいちだんと美味しかった。