臆病な恋
赤組も白組も接戦だったが、
全校リレーで負けてしまい、白組の優勝となった。
競技が全て終わり、
残るはフォークダンスだけとなった。
赤組・白組で別々のところから入場するのだが、その際に男女で手を繋がなくてはいけなかった。
そして、あろうことか、
その相手が…竜吾さんだったのだ。
3年から背の順で相手が決まるのだが、
あいにく、3年生は男子しかいない学年だったのだ。
そのため、2年で2番目に背の高い私が、3年で2番目に背の高い竜吾さんと手を繋ぐことになった。
ヤバい、心臓の音聞こえちゃうかも…
今、手を繋いで入場しようとしていた。
「…手、冷たっ」
「あ、す、すいません…」
私の手はおそらくかなり冷たいと思う。
好きな人と手を繋いで緊張しているの
だから…
それからは特に会話はせずに体育祭は幕を閉じた。