臆病な恋
「――――…ということがあったの
ですよ」
雪音は自分の初恋を瑠佳に話した。
「それで?」
「え?」
「告白したんでしょ?
どーなったの?」
告白…は、したことにはしたのだが…
「うーん、フラれたよ」
「あらら…彼女がいたとか?」
瑠佳の問いに頷いた。
「一つ下の後輩の子なんだけどね。部活も一緒だったから結構仲良かったんだ…」
「まさか……その子、雪音が好きだって知ってたんじゃ…?」
瑠佳の鋭さは一体誰に似たのだろう、と本気で思う。
「……うん」
辛そうに雪音は答えた。