臆病な恋
それは、体育祭が終わってから数日後のことだった。
「雪音さーん!」
雪音は呼ばれた方を振り向くと乃木小春
(のぎ こはる)がいた。
同じテニス部なので、一つ下だが仲が
良いのだ。
「どーしたの?」
雪音が聞くと小春は
「雪音さんって、竜吾さんのこと好きなんでしょ!?」
いきなりの質問に驚きを隠せなかった。
雪音の顔を見て、
「やっぱり、そうだと思った~」
下手に嘘ついても無理だな…と思った。
「何で分かったの?」
「だって、体育祭のフォークダンスで
竜吾さんと手繋いでたでしょ?
その時の雪音さん、顔真っ赤でしたよ!」