臆病な恋
時間とはあっという間に過ぎ去っていくもので、どう足掻こうとも時を止めることも出来ずテストは過ぎ、
「(いろんな意味で)終わった……」
たいして勉強していない雪音はなかなか際どい点数を取っていた。
「まあ、テストのことは忘れて、明日の球技大会を楽しもうよ」
と、瑠佳は雪音を慰めた。
ここの学校は期末テストが終わると次の日に球技大会を行う。
テストの鬱憤も晴らせるし、授業もないので生徒たちは楽しみにしているのだ。
「私と瑠佳はバドだよね?」
「うん。後で一花の応援にも行こっか」
雪音と瑠佳はバドミントンだが、一花だけは卓球だった。
一花は中学の頃、卓球部に所属していたらしい。
「あと博文くんの応援も、ね」
雪音がにやにやしながら言った。