臆病な恋
「テニスと同じ要領だから」
透斗の言っていた意味がようやくわかっ
た。
雪音は中学の頃、テニス部に所属していたので、ほどほどに上手い。
テニスはもっと速い球が飛んでくるが、今戦っている相手はほとんど素人なので遅く感じる程だった。
「雪音ナイス!」
雪音は調子を取り戻し、次の1点を取れば雪音たちの勝ちだ。
いつもなら緊張で固まる雪音だが──
「余裕そうだね、雪音」
「えへへ」
「ラブパワーですか?」
にやけてる雪音をからかう瑠佳。
今なら何でも出来る気がする。