臆病な恋



声のした方向を見ると




あれ、可愛い子だ……




「……七海」




そう呟く透斗の表情は
少し困惑しているように見えた。




雪音の頬に触れていた手をスッと降ろす。





「…ななは認めないから」




「そう言われても困るから」





透斗は七海にズバッと言った。





「だって、いきなり『俺と別れてくれ』なんて納得できない!」








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