臆病な恋



後ろを振り向くと、少し息の乱れた透斗が立っていた。





「七海さんは?」




驚く雪音は彼女のことを尋ねた。





「置いてきた」




「置いてきた!?」




即答する透斗にさらに驚く雪音。





「かなりお怒りでいらっしゃるんじゃ…」




「そんなの知らん」




「…というか、何とも思ってない友達とこんなに話してたら誤解されるよ」





雪音は無意識に“友達”を強調していた。






「…そのことなんだけどさ」




透斗が口を開いた。







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