臆病な恋




「さっきはああ言ったけど…」




雪音が静かになったのを見て、そっと唇から指を離した。





「俺、黒川さんのこと関係ないなんて思ったこと、一度もない」






透斗の揺るぎない目で真っ直ぐ見つめら
れ、ドキドキが加速する。





「……あ、の…」






「…それに、七海とはちゃんと別れてきたから」






驚く雪音を見ながら透斗は言った。







「…それとさ」





透斗はポケットの中から何かを取り出し
た。









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