臆病な恋



「これ、遅くなってごめん」




少し小さめだが、可愛くラッピングされている何かを雪音に差し出した。





「え…?」




困惑しながらも透斗から受け取った。





「これは一体…?」




雪音は恐る恐る聞くと、





「…バレンタインのお返しです」





少し顔を背けながら、小さな声で透斗は
言った。





「え…!?」





かなり動揺する雪音。


お返しをもらえると思ってもみなかったのだから無理もない。






「本当は早く渡さなきゃと思ってはいたんだけど…」




「え、ごめん、何て?」







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