臆病な恋
「あ、私まだ開けてないや。開けてもい
い?」
雪音は透斗の返事も聞かずに開け始めた。
「わっ…可愛い……」
中に入っていたのは、可愛らしいパステルカラーのお花をモチーフにしたピン留めだった。
「どう? 似合うかな?」
雪音はもらったピン留めをさっそく付けてみた。
「…うん、可愛い」
お世辞だと分かっていても嬉しかった。
雪音は付けたピン留めを取り、
「なんか付けるのは勿体ないから…ポケットに身につけておくね」
制服の左胸のポケットにピン留めを付け
た。