臆病な恋
その日の帰り、私は家に帰る途中だった。
私の家は中学校に近い距離にあるので、
帰るのにさほど苦ではなかった。
すると、隣の家の犬を撫でている人
が見えた。
あれ、あの赤いネックウォーマーに、あの寝癖は………
…………竜吾さん!!!
紗奈絵に「ちゃんと聞いておいで」と言われたばかりで、なんというナイスなタイミングなんだろう…
でも、聞くなら今しかない…!
そう思って
「竜吾さん!」
犬を撫でる手を止め、こっちを向いた。