臆病な恋


─透斗side─




「透斗、2人でデートしよ?」




雪音が体育館から去り、嬉しそうな顔で透斗の腕に自分のそれを絡ませる七海。





本当は『関係ない』なんて言いたくなかったんだけど……




透斗は雪音のあの表情を思い出した。





──たぶん、いや確実に傷つけた。







「ねぇ、透斗聞いてる?」




俺が今しなきゃいけないこと。





「駅前に新しいファミレスできたらしいから帰り寄ってこーよぉ」





七海と話してる暇なんかない。






俺は───…







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