臆病な恋



「……ごめん」



透斗は七海の腕をほどき、真っ直ぐ言う。





「七海とは付き合えない」




そして笑顔で



「好きな子、出来たんだ」




そう言うと、わめく七海を置いて体育館を後にした。






早く誤解を解かなきゃ。




早く会いたい、顔を見たい。






───やっと気づいた。






自分の想いも…守りたい人も。






見つけた。


心の中で呟き、そして大きく息を吸い込んだ。










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