臆病な恋
──近い近い近いっ!!
横を見れば隣には透斗がいる。
しかもかなり近い。
こんな状況でドキドキしない方がおかしいでしょ!?
雪音があれこれ考えている合間に委員会は終了した。
「黒川さん!」
教室を出た雪音に声をかけたのは透斗だった。
「大丈夫?
なんかずっと上の空だったみたいだけど」
あなたが隣にいたからです。
なんて答えられるわけもなく、
「そ、そうかな?
いつも通りだったよ?」
と、ごまかした。