臆病な恋
「……竜吾さん、北高に受けるんですよね。入試がんばってください!」
それじゃ、と言って竜吾さんと別れた。
「…………………」
私、竜吾さんの前で笑顔でいれたかな?
声、震えてなかったかな?
気持ち、ちゃんと伝わったかな?
ポロッ……
「どうして…涙が出るのかなぁ?」
フラれる、なんて最初から分かり切ってたことだけど、
…実際にそうなると結構つらかった。
それほど、
好きになってしまっていたのだ。
「───────……っ」
私は声を押し殺して泣いた。