臆病な恋
結構分かりやすくアタックしてるが、
恋愛に疎い雪音は全く気づかない。
──いい加減、俺に気づけよ…
そんなことをよく思っていた。
でも、もっと雪音にアタックして
いなければならなかったと
後悔するのはもう少し後のこと───
「……ね、ゆきね、雪音!」
「は、はい!!」
「お前、話聞いてなかっただろ」
そう言って、ボーッとしてる雪音に
チョップをした。
今日の放課後の体育祭練習から雪音の様子が少しおかしいのだ。
だけど、俺は特に問いたださなかった。