臆病な恋
いきなり俺の背中を叩いてきたのは、
1つ下の妹・小春だった。
「…なんだよ!」
「私ね、彼氏ができた!」
「へぇ、よかったじゃん!
誰と付き合うんだよ?」
蒼太は何気なく聞いた。
すると小春は、
「3年の竜吾さんと!」
「……………え?」
小春は俺が驚いてることに気づいてない
のか、ノロケ話に入ってしまった。
しかし、俺がそんな話を聞いている
はずもなく、
雪音───────…
俺の頭の中は雪音のことでいっぱい
だった。