臆病な恋
バレンタインの次の日、雪音は休みだった。
「実はさ……」
放課後、いつもの場所で智史と紗奈絵に
昨日のことを話した。
「そっか…」
「蒼太くん、ごめんね。
本当は雪音の気持ち、知ってたの」
「………!」
紗奈絵と智史は知っていたらしい。
俺が傷つくと思って言えなかったようだ。
「蒼太、もう我慢しなくていいん
じゃねぇの?」
「……え?」
「好きなら好きだって言ってやればいい。
お前は…我慢しすぎだ」
智史が励ましてくれてるってことは
分かった。
そんな様子を見て、紗奈絵は微笑んでいた。