臆病な恋

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「おい蒼太、雪音が……!」




卒業式の日のことだった。


後片付けをしていた俺を智史が息を切らして呼びに来たのだ。





嫌な予感しかしなかったので、
急いで雪音のいる教室へ向かった。




「雪音、どーした!?」




教室に入ると、泣いてる雪音を紗奈絵が
優しく慰めていた。




「あ…蒼太」




泣きながら無理やり笑おうとする雪音。


そんな雪音に近づいて、




「…何があったん?」





紗奈絵は空気を読んで席を外してくれた。


そういうのが昔からうまいんだよな。







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