臆病な恋
あれから、1ヶ月と少しばかり経ち、
卒業式がやってきた。
泣かないと決めていたのに、卒業生の合唱を聞き、思わず涙腺が緩んでしまった。
そーいえば、文化祭の合唱も竜吾さんの
声がよく聞こえてきて、1人で感動
してたなぁー…
もう、この人に会えないんだ……
そう思うと余計に涙が出てきた。
「雪音、竜吾さんに第二ボタンもらって
おいでよ!」
式が終わって紗奈絵が言った。
「もう、会えなくなるんだよ!?
記念としてもらっておいた方がいいんじゃない?」
そう言われ、私は竜吾さんを探しに行った。