臆病な恋



「……竜吾さん…………」




そこにいたのは竜吾さんと俺の妹・小春が仲良く手を繋いでる姿だった。



いきなり雪音はその場から走り出した。 




「…っ! 雪音!」




少し走って雪音の腕を掴んだ。




「おい雪音!」




雪音の顔を見ようとのぞき込むと、




「────…っ」




声を出さずに泣いていた。




「雪音……」




俺はそっと抱き締めた。


どうすればいいのか分からなかったけど、
抱き締めることしか出来なかった。




「………蒼太」




泣いて少し落ち着いた雪音が小さな声で俺に言った。




「私と……別れてください」







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