臆病な恋
「竜吾さーんっ!!」
廊下にいた竜吾さんを呼び止めた。
「あのっ!
第二ボタン、もらえないですか!?」
「いいよ。ちょっと待ってて」
そう言って、私に背を向けた。
やった!
嬉しさのあまり、ガッツポーズをしてしまった。
「はい。こんなんでいいの?」
竜吾さんは私の手のひらにボタンをのせてくれた。
「これがいいんです!
ずっと大事にします!!」
「竜吾ー!
記念撮影すっぞー!」
後ろから担任が呼んでいたので
「それじゃ…元気でな」
そう言って行ってしまった。