臆病な恋
「あと、朝は一緒に学校来てました」
そこから先は、ほとんどノロケに入っていった。
「好きな人いないんですか?」
そんな風に私は竜吾さんに聞いたんだ
……告白したあの日に。
「うん、いないよ」
そう答えたのに、あれは嘘だったんだ……
これじゃ、完全に信じた私が
すごく馬鹿らしいじゃん……
「……これ、竜吾さんに返しておいて」
さっきもらったボタンとシャープペンを
小春に渡した。
「え…?」
「私が持ってても意味ないから」
そうして、私の初恋は幕を閉じたのだ。