臆病な恋


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瑠佳は雪音が話し終わるまで
じっと聞いていた。





「……もしかして、雪音ってまだその先輩のこと好きなの?」




「……分かんない、けど…」




雪音はカバンから生徒手帳を取り出し、
その中からある物を瑠佳に渡した。





「四つ葉のクローバー?」



それは、四つ葉のクローバーの押し花
だった。





「それね、学校の奉仕作業で竜吾さんに
もらったの」






四つ葉のクローバー可愛い!




私が言うと、





じゃー、やるよ




竜吾さんは笑顔で私にくれた…






「まだ好きなのかは分からないけど、
私にとって竜吾さんは特別な存在だよ。
だから、このクローバーは捨てられない
と思うんだ……」








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