臆病な恋

募る想い





───瑠佳に初恋の思い出を話してから
一週間が経ち、ついに体育祭当日。






「昨日まで雨だったのに、晴天じゃん!」





雪音と瑠佳はクラス専用のビニールシートでしゃべっていた。




「楽なの選んどいてよかったよね」




「ほんとね!」






雪音の恋は特に進展していない。



瑠佳が高島くんに話しかけてきなよ、
と言うが




「むりむり、絶対むり!!」




無理の一点張りで、会話どころか
朝の『おはよう』も未だに言えないのだ。







< 27 / 232 >

この作品をシェア

pagetop