臆病な恋



「ごめん、これが頭に当たったよね…」



と、申しわけなさそうな顔をしていた。 




「全然大丈夫だよ!!
この通りピンピンしてるから!」




痛みなんか忘れちゃうよ


……高島くんに会えたんだから




という心の声は、透斗には言えない。





「あ、そうだ…」




透斗はポケットに手を入れ、
ゴソゴソと何かを取り出した。




「はい、あげる」




透斗が差し出してきたのは




「飴…?」




「そう。今日暑いから
塩分取っといた方がいいよ」






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