臆病な恋
西高の桜はとてもきれいで有名だった。
だから入学式が行われるときが満開で
一番の見頃なのだ。
「ホントにきれいだなー…」
俺は満開の桜に見惚れていて
前をよく見ていなかった。
「博文ー!
そのうち誰かにぶつかっぞー!」
という友人の忠告を聞かなかった。
ドンッ!
「わっ!」
忠告を受けてから数十秒後、
本当にぶつかってしまった。
「ご、ごめん!!
桜見てて前よく見てなかった…」
博文はぶつかった相手に謝った。
「いえ、私も桜見てたから…」
ぶつかった子はそれほど身長が高くなく、上で団子にして縛っていた。