臆病な恋
「………っ………ずっ」
すすり泣く声が聞こえてきた。
「………………」
透斗は何もできずにただ隣で座っていた。
「……落ち着いた?」
透斗は雪音に話しかけた。
やっと雪音が落ち着き、今までの経緯を
大まかに聞いた。
「紗奈絵がもっと大ケガで、死んでたらって思ったらすごく怖くなっちゃって………」
本当に大切な存在なんだな……
透斗は雪音の話を聞いていてそう思った。
「でも、よかったよ。
命に関わるケガじゃなくて」
と、透斗は言った。