臆病な恋



透斗の家はケーキ屋さんなのだ。




「はい、これあげる」




雪音にチケットを渡した。




「…………?」




「割引券。来てくれたら安くするよ」




「あ、ありがとう!」






嬉しすぎて思わず笑顔になる雪音。


すると透斗が、





「やっと笑った」




「え?」




「黒川さんはやっぱり笑ってた方が
良いよ」




かああぁぁ…




自分の顔が赤くなるのがわかった。






「え、なんか顔赤いけど大丈夫!?」




透斗に心配され、余計赤くなる。




「だ、大丈夫! なんでもない!!」




雪音はなんとか誤魔化した。








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