臆病な恋
知らなければよかった
「っえぇーー!!?」
「雪音、うるさいよ!」
「だ、だって……」
雪音は自分の前に座っている2人を見つめ、
「だって、瑠佳と前橋くんが付き合うことになってるなんて…!」
文化祭の打ち上げも終わり、西高も
通常授業に戻った。
そんなところに
「放課後、話したいことがあるんだけ
ど…」
と、珍しく真剣な顔をして瑠佳が言った。
こんな瑠佳をあまり見ないので
どうしたんだろ……
と、思って心構えをしていたら、
思いもしないような話だったのだ。
「てか、文化祭の打ち上げのとき!?
そんなの聞いてないよ!!」
「だって初めて言ったもん」
瑠佳はなに寝ぼけてんの、と付け足す。
「いや、それはそうなんだけど…
なんでその場で言ってくれなかったの!」
「雪音いなかったじゃん」