臆病な恋

知らなければよかった




「っえぇーー!!?」




「雪音、うるさいよ!」




「だ、だって……」




雪音は自分の前に座っている2人を見つめ、





「だって、瑠佳と前橋くんが付き合うことになってるなんて…!」






文化祭の打ち上げも終わり、西高も
通常授業に戻った。




そんなところに



「放課後、話したいことがあるんだけ
ど…」



と、珍しく真剣な顔をして瑠佳が言った。





こんな瑠佳をあまり見ないので





どうしたんだろ……





と、思って心構えをしていたら、
思いもしないような話だったのだ。





「てか、文化祭の打ち上げのとき!?
そんなの聞いてないよ!!」




「だって初めて言ったもん」




瑠佳はなに寝ぼけてんの、と付け足す。





「いや、それはそうなんだけど…
なんでその場で言ってくれなかったの!」




「雪音いなかったじゃん」







< 77 / 232 >

この作品をシェア

pagetop