臆病な恋
「あれ、ホントだ…」
どーやら私は、無意識の内に出来るようになっていたらしい。
「よくがんばったじゃん!」
ニコッと微笑みかける竜吾さんを見て、
顔が熱くなっていくのが分かった。
「竜吾ー!
こっちでリレーの練習するぞー!」
「分かったー!」
竜吾さんは仲間に呼ばれ、行ってしまった。
ドキドキドキ……
もしかして私、竜吾さんのこと………!?
顔の赤みが消えない理由に気づいてしまった。
そっと竜吾さんの方を見ると、仲間と楽しそうに騒いでいた。
そんな笑顔を見ていたら、余計ドキドキしてきてしまった。
体育祭でもっと話せたらいいな…
なんて悠長なことを考えていた。
この先に何が待っているとも知らずに……