臆病な恋
「…誕生日が今日ー!?」
博文の言葉に思わず聞き返してしまった。
「うん」
博文は真顔で答えた。
「だから!」
と、瑠佳が割り込んできた。
「だから、今から電話しよう!」
「やだ」
雪音は瑠佳の提案を即却下した。
「だって電話しても何話せばいいの!?」
「おめでとう、って言えばいいんじゃ?」
「そんな簡単にできる話じゃないの!」
雪音は無理だと言い張る。
「黒川さん」
博文が雪音を呼んだ。
「ごめん…もう電話してるんだけど」
そう言う博文の手には携帯があった。
「な、何してんのー!?」
「ほら、雪音早く!」
仕方なく博文から携帯を受け取った。
「…もしもし、博文か?」
透斗本人が電話に出て一気に緊張して
しまった雪音。
「あ…あの、黒川です…」
博文かと思っていた透斗は
「え、黒川さん!?」
と、かなり驚いていた。