臆病な恋



「…誕生日が今日ー!?」




博文の言葉に思わず聞き返してしまった。




「うん」




博文は真顔で答えた。




「だから!」




と、瑠佳が割り込んできた。




「だから、今から電話しよう!」




「やだ」




雪音は瑠佳の提案を即却下した。




「だって電話しても何話せばいいの!?」




「おめでとう、って言えばいいんじゃ?」




「そんな簡単にできる話じゃないの!」




雪音は無理だと言い張る。




「黒川さん」


  

博文が雪音を呼んだ。


 

「ごめん…もう電話してるんだけど」





そう言う博文の手には携帯があった。





「な、何してんのー!?」




「ほら、雪音早く!」





仕方なく博文から携帯を受け取った。





「…もしもし、博文か?」





透斗本人が電話に出て一気に緊張して
しまった雪音。




「あ…あの、黒川です…」




博文かと思っていた透斗は




「え、黒川さん!?」



 
と、かなり驚いていた。


 


 
< 84 / 232 >

この作品をシェア

pagetop