臆病な恋

“好き”だった




「……はぁ………」




「なんだよ、ため息なんか付いて」




蒼太が雪音に言った。




「いいじゃん、別に…」





雪音は昨日のことを思い出した。





瑠佳や博文に後押しされ、イブが誕生日の透斗に電話したのだ。




“おめでとう”も言えた。




そこまではよかったのだが…





「透斗ぉー!」




電話口で聞こえた甘えた女の声。



こんな日に…

クリスマスイブに一緒にいる…






やっぱり“彼女”だよね………









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