臆病な恋
蒼太は懐かしそうに言った。
「…そうだね」
雪音は呟くように言った。
実は一時期、蒼太と付き合っていた。
“友達として”好きだった。
竜吾さんにフラれ傷ついているところに
蒼太が告白してきた。
竜吾さんと付き合っていた小春は蒼太の妹
で、私の気持ちも全部知っていたのだ。
「…私、まだ当分は竜吾さんのこと忘れられないと思うよ?」
「いいよ、それでも」
蒼太のその言葉で私たちは付き合い始めたのだった。