殺戮都市
ダメだ、防戦一方では勝てない!


攻めないと……本当に手足を切断されて拷問されてしまう!


軽く、手に馴染む日本刀を男に向けたまま立ち上がり……ゆっくりと間を詰めるように歩き始めた。


回復したばかりだというのに、身体がズキズキ痛む。


その痛みは歩行にも影響して、フラフラしているように見えるだろう。


だけど、男は油断しているようには見えない。


俺が完全に弱るのを待っているかのようだ。


この一撃が勝負だ。


俺の日本刀は、怪物でさえ容易に切り裂く。


当たれば……俺の勝ちは見える!














「うわあああああああ!!」
















気合いを入れる為の叫び声。


外にいるやつらに聞こえたって構わない。


今ここで、こいつをどうにかしなければ末路は同じなのだから。


グッと足に力を入れて、男に飛び掛かった俺は、日本刀をその頭部目掛けて振り下ろした。













だけど、その攻撃が来ると分かっていたのか、男は後方に飛び退いてあっさりと避けられてしまったのだ。


まずい……反撃を食らう!


そう思ったけど……男は、なぜかよろめいて、床に倒れ込んだ。
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