殺戮都市
「お兄ちゃんの方が、ここの人より優しいもん。それにね、お兄ちゃんは敵じゃないよ。だって、私を助けてくれた。敵だったらそんな事しないでしょ?」
何の穢れもない亜美のその言葉に、俺は考えさせられた。
敵なんて、システム上で決められた意味のないくくり。
俺が言っていた事なのに、東軍に入ってから、俺を殺そうとするやつらしかいないと思って、それを考えないようにしていた。
恵梨香さんだって北軍で、俺にしてみれば敵のはずなのに。
自分の都合の良いように、勝手に敵味方を作っていたのは俺だったんだと思い知らされた。
それに……亜美はまだ震えている。
弓長を刺した事のショックがまだ消えないんだろうな。
それなのに、必死にそれを隠そうとして。
こんな所に一人置き去りにする事がどれだけ残酷かと、俺は考えてはいなかった。
弓長が死んで終わりじゃない。
第二、第三の弓長が現れて、亜美に酷い事をするかもしれないのだ。
「……分かったよ。でも、ここにいるより危ないかもしれないんだぞ?それでも良いのか?」
考えて考えて、その答えしか出せなかった。
喫茶店に辿り着けば、恵梨香さんがどうにかしてくれると考えて。
何の穢れもない亜美のその言葉に、俺は考えさせられた。
敵なんて、システム上で決められた意味のないくくり。
俺が言っていた事なのに、東軍に入ってから、俺を殺そうとするやつらしかいないと思って、それを考えないようにしていた。
恵梨香さんだって北軍で、俺にしてみれば敵のはずなのに。
自分の都合の良いように、勝手に敵味方を作っていたのは俺だったんだと思い知らされた。
それに……亜美はまだ震えている。
弓長を刺した事のショックがまだ消えないんだろうな。
それなのに、必死にそれを隠そうとして。
こんな所に一人置き去りにする事がどれだけ残酷かと、俺は考えてはいなかった。
弓長が死んで終わりじゃない。
第二、第三の弓長が現れて、亜美に酷い事をするかもしれないのだ。
「……分かったよ。でも、ここにいるより危ないかもしれないんだぞ?それでも良いのか?」
考えて考えて、その答えしか出せなかった。
喫茶店に辿り着けば、恵梨香さんがどうにかしてくれると考えて。