殺戮都市
何とか立ち上がってくれた明美さんの手を取り、バーコードが逃げたビルとビルの間に向かおうと移動を始めた俺達。
今ならまだ大丈夫……なんて思っていたのに、現実はそんなに甘くはなかったようだ。
「グルルルルル……」
背後で、怪物が喉を鳴らしているという事に気付いた次の瞬間。
ドンッと強い衝撃が俺の背中に加わり、弾かれるように地面に倒れてしまったのだ。
「痛ぁ……な、何だ!?」
慌てて身体を起こして、何が起こったのかを確認する為に振り返った俺の目に飛び込んで来たのは、無惨に喰い千切られた鬼頭竜二の遺体。
頭部も喰われて、鼻から上を喪失していた。
「ひ、ひいっ!!」
怖いと言うよりも気持ち悪い。
思わず後退りして、逃げようとした俺は……明美さんが隣にいない事に気付いた。
いや、いる事にはいるのだけれど……。
詰め寄った怪物が俺の隣で、明美さんの身体を両手で掴んで、頭から喰おうと大きく口を開いていたのだ。
ドクンと心臓が動いたのが分かった。
血液が、全身に送り出されるのも分かるほどに冷たくて。
「あ……ああ……」
怪物に掴まれた明美さんは、恐怖のあまり言葉も出せないでいた。
今ならまだ大丈夫……なんて思っていたのに、現実はそんなに甘くはなかったようだ。
「グルルルルル……」
背後で、怪物が喉を鳴らしているという事に気付いた次の瞬間。
ドンッと強い衝撃が俺の背中に加わり、弾かれるように地面に倒れてしまったのだ。
「痛ぁ……な、何だ!?」
慌てて身体を起こして、何が起こったのかを確認する為に振り返った俺の目に飛び込んで来たのは、無惨に喰い千切られた鬼頭竜二の遺体。
頭部も喰われて、鼻から上を喪失していた。
「ひ、ひいっ!!」
怖いと言うよりも気持ち悪い。
思わず後退りして、逃げようとした俺は……明美さんが隣にいない事に気付いた。
いや、いる事にはいるのだけれど……。
詰め寄った怪物が俺の隣で、明美さんの身体を両手で掴んで、頭から喰おうと大きく口を開いていたのだ。
ドクンと心臓が動いたのが分かった。
血液が、全身に送り出されるのも分かるほどに冷たくて。
「あ……ああ……」
怪物に掴まれた明美さんは、恐怖のあまり言葉も出せないでいた。