殺戮都市
俺と優のやり取りを、呆れたように見ている恵梨香さん。


「やれやれ、少年達は敵同士だと言うのに仲が良いな」


「な、仲が良いわけないじゃないですか!勝手について来て行動に口出しして!俺はこんなやつ大嫌いなんですよ!」


思わず口を突いて出た言葉。


それに反応するように優の口からも言葉が飛び出す。


「こんなやつって何よ!!せっかく危ないって教えてやってんのに!あんたら敵なんだから、見付かると殺されると思って言ってやってんのにさ!」


俺の声より何倍も大きな声に、耳が痛くなる。


「こ、声が大きい!他のやつらに聞こえたら、ここにいるのがバレるだろ!」


「だから何よ!あんたらそれでもタマ付いてんの!?あ、そうか、あんた度胸ないもんね、パンツ脱いでる私を前にしても、襲おうともしなかったし!」


なんて事を言うんだ!


慌てて恵梨香さんを見ると亜美の耳を塞いでいて、変な会話を聞かさないようにしている。


でもそれだけ。


俺を助けてくれる気はないように思えるし、早く黙らせろという眼光を、シールド越しにでも感じる。


「分かった、分かったから!!とりあえず静かに話そう」
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