殺戮都市
俺の提案に、顔を真っ赤にして首を横に振る恵梨香さん。


「い、嫌だ。そんな恥ずかしい事出来るか。色仕掛けなんて……私に引っ掛かる男がいるとは思わないが……」


「お、俺に裸を見られる方が恥ずかしいでしょ。それに、自分で分からないんですか?恵梨香さんは物凄い美人なんですよ?男なら誰だって引っ掛かります」


……何を言ってるんだ俺は。


いつもとは違う恵梨香さんを口説いているみたいで、何だか照れ臭い。


「そ、そんなお世辞を……少年の目はおかしいんじゃないのか?」


「お世辞なんかじゃ……とにかく、誘い出してください。出来るだけエロく」


本当に何を力説しているんだろう。


恵梨香さんにしか出来ない事とはいえ、そんな事をさせようとしているなんて。


「で、出来るか!……いや、やらなければダメだな。少年、どうすれば良いか教えてくれ」


敵地のど真ん中だけど、照れて恥ずかしそうに目を逸らしている恵梨香さんが可愛い。


色仕掛けは良いとして、見張りがそれに乗るかどうかだ。


職務に真面目なやつだったら、容赦無く侵入者を排除しようとするだろうな。


それでも、俺達は上手く行く方に賭けるしかなかった。
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