殺戮都市
辺りを警戒しながら歩き、通路が交差する所に差し掛かった時、その声は聞こえた。
















『はい、そこの侵入者二人、残念だけどそこまでだ』


















どこからか……いや、スピーカーからそんな声が聞こえて来たのだ。


と、同時に二階の売り場の照明が点き、物陰に隠れていた東軍の人間が姿を見せ、俺達を取り囲んだのだ。


「うっわ、すっげぇ美人だったよやっぱり。あの身体をめちゃくちゃにしてぇ!」


「俺が先だバーカ、テメェは後だよ」


武器を構えて、ニヤニヤと俺達を見る東軍の人間達。


取り囲んでいるのは男だけじゃない。


女の姿もあるけど、退屈そうに男達の会話を聞いている。


『お前らの行動なんてな、ここに入った時から監視カメラで確認してんだよ!女の着替えもバッチリ見させてもらったぜ!』


「ハメられたと言うわけか。だがこの強固な警備……ここにキングがあると見て間違いないな」


「こ、こんな状況でそんな冷静に分析しなくても……」


高校生の俺と、ヒラヒラした服を着た恵梨香さん。


取り囲んでいるこいつらが、ナメている間が勝負だ。
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