殺戮都市
「な、何なんだこいつら……めちゃくちゃ強いじゃねえか!」


「ちっ!油断しやがって!!ガキと女だからってナメるんじゃないよ!!」


サッと辺りを見回してみると、残っているのは5人にまで減っていた。


かなり早く4人片付けたと思ったのに……恵梨香さんは5人も片付けたのか。


「援軍が合流しないうちに残りを殺るぞ」


「は、はい」


この調子ならやれる。


殺さなければ殺されるんだから、俺が悪いわけじゃない。


一番近くにいる女を睨み、素早く詰め寄って日本刀を斜めに振り下ろす。


しかし、俺の殺気に気付いたのか、素早く後方に飛び退いたのだ。


浅い。


斬り付けた感覚は切っ先に微かにあったけど、この一撃で殺れたわけじゃない。


女は後ろにあった、鍋やフライパンが置かれているテーブルに突っ込み、派手な音を立てて床に倒れた。


「ああああ……脚が、私の脚が!!」


良く見ると、女の右脚が切断され、テーブルの下に転がっている。


のたうつ女を見下ろして、俺は日本刀を振り上げた。


俺だって、いつこうなるか分からない。


女の姿と俺の姿がダブって見えて……。


場の雰囲気に飲まれるように、俺は日本刀を振り下ろした。
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