殺戮都市
「恵梨香さん、大丈夫ですか!?」


駆け寄ると、身体がガタガタと震えているのが分かる。


余程の恐怖か、痛烈なダメージを食らってしまったのか。


どちらにしても、この葉山という男は強い事は分かった。


「くそっ!せめて……せめてキングがあるのかを……」


「別に良いじゃないですか、恵梨香さんの目的はそんな事じゃないでしょ!?キングがここにあったとしても、破壊するつもりはないんでしょ!?」


このままでは殺されるかもしれない。


殺されるよりも、生きていた方が良いに決まっている。


「おいおい、キングを破壊する事が目的じゃないのに、こんな所に来たのか?お前らの目的って何なんだ?一度気になると眠れないんだよね」


「フンッ、キングがここにあるのかどうか、教えるのなら言ってやらなくもない」


圧倒的に不利な状況なのに、葉山を睨み付ける。


いや、別に俺達の目的は話しても何の支障もないだろうに。


秘密にする事で、葉山の好奇心をくすぐろうというのだろうか。


「うわー、すっげー気になる。何が気になるって、南軍と北軍の人間が一緒になって、何を企んでるかって事だよ」
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