殺戮都市

「えっ！？」


攻撃を加えたはずの俺が……思わず声を上げる。


刀身に感じた、何かに打ち付けたような衝撃。


視界の端には、恵梨香さんのトンファーも動きを止めてしまっているのが映っている。


葉山の武器は……槍。


その刃の部分で俺の日本刀を、柄の部分で恵梨香さんのトンファーを防いでいたのだ。


そう、目に映ったのは一瞬。


俺達の動きに合わせて、後方に飛び退きながら槍を回転させる。


恵梨香さんと俺の攻撃の力を利用して、その回転速度は目で捉えきれないほど早くて。


クルリと回った柄の部分が、俺の頭部を激しく打ち付けた。


「がはっ！」


一瞬目の前が真っ白になり、床に倒れ込む。


だけど、すぐに首を振って立ち上がると、日本刀の先端を葉山に向けた。


「あら？ちょっと浅かったかな？だけど、彼女の方はダウンしたみたいだけど」


素早く飛び退いて、槍を構える葉山。


その言葉の通り、恵梨香さんは腹部を押さえて、苦しそうに床に手を突いていたのだ。


「え、恵梨香さん……」


死神とまで呼ばれた恵梨香さんが……こんなに簡単にやられるなんて。


まだ一撃も入れてないのに。