殺戮都市
頭がフラフラする……だけど、俺はまだ戦える。


問題なのは恵梨香さんだ。


回転した槍が直撃したのなら、当たったのは刃の部分。


もしかすると、そのダメージでもう動けないかもしれないから。


「さあ、どうする?お前らの目的を話して二人で帰るか、話さないでここで死ぬか。他に選択肢は用意してないぞ?」


飽くまでも話を聞く事が最優先で、俺達を殺すのは二の次といった印象を受ける。


こっちから仕掛けないと動かないし、恵梨香さんがこんなんじゃ、状態だ。


話して、亜美と優が待っているビルに戻る方が良いんじゃないか?


「少年……騙されるんじゃないぞ。私達が帰れば……あいつらがどんな目に遭うか。後をつけられるリスクを考えるんだ」


だったら……俺はどうすれば良いんだよ。


逃げればあの二人に迷惑が掛かる。


逃げなければ、ここで俺達が殺されるかもしれない。


極限状態で提示された、究極の選択というやつか。


どちらも選ばないとなるとどうなる。


俺に力があれば……それも可能だったかもしれない。


恵梨香さんなら……こんな時どう言う?


悩んで悩んで、俺が出した答えは……。
















「お前を倒して、俺達は生きる!」






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