殺戮都市
一直線に向かって行くのは危険。


となると、左右に揺さぶりを掛けるしかないか。


そう考えると同時に、槍を構える葉山の右側。


死角になる方へと大きく踏み込んだ。


でも、葉山の槍はピタリと俺に動きを合わせている。


僅かな遅れもない。


まるで、動きが遅い俺に合わせているかのように先回りをしているのだ。


だったら反対方向。


着地と同時に、葉山の左側に飛ぶ。


槍が来るのは分かってる。


俺の方が遅いって事くらい。


槍をどうにかしなければ、近付く事すら出来ないと思った俺は……左手で空間からトンカチを引き抜いた。


T字になっているそれは、引っ掛けるには最適の道具で、俺の動きに合わされた槍の先端に打ち付ける。


ガンッと金属がぶつかる音が聞こえ、俺の顔一個分、槍が左に逸れたのだ。


今しかない！


グッと床を踏み締め、一気に葉山との距離を詰めた俺は、日本刀を斜めに振り下ろした。


完全に捉えた！！
















と、そう思ったのに。


次の瞬間、俺の日本刀は何かに弾かれてしまったのだ。


間合いも、踏み込みも問題なかったのに……どうして。
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