殺戮都市
「ん。ちょっと待てよ。登録したら行くから」
「もう、またゲーム?何がそんなに面白いんだか」
俺と違って理沙はあまりこういったゲームをしない。
一緒にやったら、楽しさが分かるはずなのにな。
開かれた登録画面。
『あなたはどのタイプですか?(後で変更可能です)』
という、何の説明もない質問。
そしてその下には三つの選択肢。
・アタッカー(敵陣に攻め込む。危険にも臆さず、キングを狙う)
・ディフェンダー(敵の侵攻を食い止める。陣地の保持が任務)
・フリーファイター(侵攻、防衛、両面で自由に戦う)
説明がないのはクソゲー臭が尋常じゃない。
キングって何だよ。
まあ、詳しい説明はゲームが始まったらされるだろうと思い、俺はアタッカーを選択した。
守るなんて面白くないし、どうせなら攻めたいから。
そして次の画面。
『どの陣営に所属しますか?(どれを選んでも、物語は同じです)』
・北軍
・東軍
・南軍
・西軍
だから、せめてどんなゲームか説明しろよ。
少しイライラしながら適当に選んだ南軍。
「もう、まだ終わらないの?早く行こうよ」
肩までの髪を指先で弄って、退屈そうに理沙がそう言った。