殺戮都市
日本刀と拳が接触し、再び薄い氷が割れたような感触。


レベルMAXだと言うメリケンサックが呆気なく左右に切断され、斎藤の右腕も縦に裂けたのだ。


「ぎゃあああああああっ!!何で、何でだよっ!!」


思っていた結末と違ったのか、バランスを崩して地面に転がった斎藤が叫ぶ。


レベル1では勝てなかった斎藤に、レベル5で簡単に勝利出来る。


星5レアの強さは、段違いという事なのか。


……なんて考えている場合じゃない。


それでも、葉山にはまだまだ届きそうにない気がするから。


「斎藤!!新崎さんと奈央さんの恨み……思い知れ!!」


倒れた斎藤の左の脇に刃を入れ、一気に振り上げる。


何の抵抗もなく斬り飛ばした腕が、地面に転がり落ちた。


「ぎゃあああああああっ!!テ、テメェ!一度俺を殺しても、何度でも生き返ってテメェの命を狙ってやる!南軍で……生きられると思うなよ!!」


両腕を無くしてもまだ、俺を睨み付ける斎藤。


「そうかよ……だけど、俺はお前を殺す。どれだけ生き返りたいと思っても、これがなければ生き返れないよな?」


のたうつ斎藤の脚に日本刀を突き立てて、俺はズボンのポケットに手を入れた。
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