殺戮都市
そして、斎藤のポケットから取り出した端末。


「お、おい……嘘だろ?やめろ、それだけはやめろ!!分かった、テメェの命は狙わねぇ……だからやめてくれ!!」


「……お前は新崎さんがそう言った時、何をしたんだよ!調子の良い事言ってんじゃねぇよ!!」


脚に突き立てた日本刀を引き抜き、斎藤の腹部に端末を押し付けた俺は、日本刀を振り上げてそれに目掛けて日本刀を振り下ろした。


スパッと真っ二つに切断される端末と斎藤の身体。


「あ、ありえね……ぇ」


仇を取る為とは言え……命乞いをした斎藤を殺した。


それは、新崎さんを殺した斎藤と同じなんじゃないかと自己嫌悪に陥りそうになる。


端末を破壊され、命の灯が消えた斎藤の亡骸を後に、俺は歩き出した。


街の中央部に向かってじゃない。


地面に座り込んでいる明美さんの所に。


「な、奈央……ソウルがあるんじゃ……あなたが行こうとしなければ私は……」


ブツブツと呟きながら、涙を流す明美さん。


そんな明美さんに俺は……。
















……日本刀を突き付けた。


斎藤に騙されて、斎藤の言いなりになっていたのだろうけど、奈央さんを殺したのこの人だから。
< 329 / 845 >

この作品をシェア

pagetop